バスの運転手になってみて -思っていたより大変な仕事(電車運転士との比較)-

バスのハンドル 第二種大型自動車免許

電車バスの運転手は、子どもたちの憧れの仕事の一つですね。

バスと電車の写真

どのような仕事でも、傍から見るより大変なものです。

バスの運転手になって数ヶ月が経ちました。
バス運転手の大変なところを、電車運転士と比較しながらまとめてみたいと思います。
とは言うものの、私は電車運転士になったことはありません。
電車の運転士の仕事内容は推測ですので悪しからず。。。

バスの運転手は、一言でいうと電車運転士、車掌、駅員の仕事を全部引き受けているような感じがします。

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運転技術編

バスの運転手になるには大型二種免許が必要です。

免許証
電車の運転士になるには動力車操縦者運転免許証が必要だそうです。

どちらも免許や資格を取得しただけですぐに乗務できるわけではありません。
電鉄会社やバス会社で数ヶ月の研修を受けて初めてお客さんを乗せて乗務することができるようになります。

どちらの仕事も最も求められるのはお客さんの安全です。

ハンドル

あたりまえですが、電車にはハンドルがありません。
バスの運転との一番大きな違いかもしれませんね。

バスのハンドル

電車はベテラン運転士でも新米運転士でも、間違えて電車をホームにぶつけてしまうことはありません。
しかしバスの場合は、ハンドル操作を誤るとバス停の歩道や電柱、ガードレールに車体をぶつけてしまうことになります。

バス停

バス停の形状も様々で、歩道があるものないもの、歩道の高さの違い、屋根のある所ない所などなど気をつけなければいけないポイントがいくつもあります。
歩道のあるバス停では、できるだけ出入り口を歩道に近づけて停車しなければいけません。
出入り口と歩道の間が空いてしまうと、お客さんは一旦車道に降りてからバスに乗り込むことになります。
お年寄りや体の不自由な人にとっては大きな障害になります。

でも歩道に近づけすぎるとバスの車体を歩道の段差に接触させる危険があります。
歩道や電柱、ガードレールに車体が接触すると、それは交通事故の扱いになり警察への届け出が必要です。

クラッチ

最近のバスオートマチック車が増えてきましたが、まだまだマニュアルミッション車もたくさんあります。
マニュアルミッション車の場合、当然クラッチ操作が必要で、クラッチ操作次第では車内のお客さんが転倒してケガをしてしまうこともあります。

 

ブレーキ

電車バスブレーキ操作次第ではお客さんの転倒事故を起こしてしまいます。

電車の場合、通常のブレーキと緊急ブレーキは別操作になっているそうですし、緊急ブレーキの場合でも比較的転倒事故が起こりにくい強さになっています。

ブレーキペダル

バスの場合、信号やバス停で停車するときのブレーキも、人や車の飛び出しに対処する緊急ブレーキも同じブレーキペダルです。
バスで急ブレーキをかけると、立っているお客さんはほぼ間違いなく転倒しますし、場合によっては座っているお客さんも座席から投げ出されます。

バスのブレーキ腫れ物に触るような慎重な操作が必要です。

また電車の場合、仮に運転士が赤信号を見落とした場合、自動的にブレーキがかかりますが、バスの場合は事故に直結します。
歩行者用信号がある交差点では、車用の信号が変わるタイミングをある程度予測できますが、歩行者用信号のない交差点では信号が変わったときに急ブレーキになってしまうこともあります。

事故編

電車バスに比べて事故率が低いです。

これは電車が軌道の上を走っていて、通常はその軌道上に車や人が入ってくることはないからですね。
電車で一番事故が起こりやすいのは踏切と駅のホームです。
どちらの場合も運転士が責任を問われることはまれです。

バスの場合、交差点での事故、バス停での事故が特に多いですが、追突事故や車内転倒事故など、常に事故の危険があります。
どのような事故であっても、大抵の場合運転手の責任が問われることになります。

バス事故

産経ニュースから引用

ドアの開閉事故でも電車とバスでは違いがあります。
電車の場合、通常は車掌がドアの開閉をするので運転士は待っているだけです。

電車のドア

バスの場合、運転手がドアの開閉操作をします。

バスのドアとドアスイッチ

しかも入り口ドアと出口ドアのスイッチは別になっていますので、それぞれに注意が必要です。
電車のドアで人が挟まれても、「駆け込み乗車した人が悪い」という感じになりますが、バスの場合はどのような場合でも運転手の責任が問われます。

運行編

駅、バス停の停車

電車の場合、予め止まる駅と止まらない駅が決まっています。

駅とバス停のイメージ

バスの場合は原則としてバス停には止まりません。
バス停に止まるのは、お客さんがベルを鳴らしたときとバス停でお客さんが待っているときです。

ですから運行前にはどのバス停に止まるのかは、運転手にはわかりません。
降車用のベルが鳴らされていることに気づかなかったり、バス停で待っている人を見落とすということも時々起きています。

 

運賃の取り扱い

電車の場合、ローカル線のワンマンカーを除いて、運転士が切符の販売やICカードの取り扱いをすることはありません。

バスは乗客が正しい運賃を支払ったかどうか運転手がチェックしなければなりません。

最近はICカードで乗車する人が多いので、現金払いのように投入金額を確認する負担は少ないです。
しかし、ICカードチャージのための操作をしたり、乗車時のタッチ記録がない場合の対応も必要です。

またバス停に停車するか通過するごとに運転手がボタを押して整理券番号を進める操作が必要です。

バス停送りボタン

このボタン操作により区間ごとの運賃が正しく処理されますが、ボタン操作を忘れると運賃の誤収納になります。
バス停付近の状況(駐車車両がある、ふらついた自転車がいる、車椅子のお客さんがいるなど)によってボタンを押し忘れることがよくあります。

バスの運転手は、1日の乗務が終わったあとに運賃箱を営業所に持って帰り、精算処理をする必要があります。
多くのお客さんが乗車した日は運賃箱が重くなります。

電車の運転士は乗客から運賃について問い合わせを受けることはほとんどありませんが、バスの運転手は運賃についてよく問い合わせを受けます。
「xxバス停まではいくらですか?」と聞かれると、運賃表で調べて答えなければいけません。

その他編

洗車、清掃

1日の乗務が終わると、運転手はバスを洗います。
洗車機で洗えない部分は手作業が必要です。
車内の掃き掃除、モップがけ、窓拭き、雑巾がけ、アルコール消毒など、次の日にお客さんが気持ちよく乗っていただけるようにします。

バス会社によって異なりますが、月に数回は運転手が作業着に着替えてバスのメンテナンスをすることもあります。
グリスを塗ったり、バッテリー液の点検/補充、タイヤ空気圧の点検/補充、エアフィルタの清掃などを行います。

環境

電車の運転士の場合、休憩場所はたいてい駅か車庫の休憩室です。

バスの場合、駅のバスターミナルやバス待機所で休憩を取れますが、路線によっては休憩室がない所も多く、バス停に止めてバス車内で休憩を取ることもあります。
場所によってはトイレや自販機などがないこともあります。

バスはエンジンをかけていないと空調が効きませんが、住宅地ではエンジンを停止させなければいけませんので、冬や夏のバス車内での休憩は体に負担がかかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
私はバスの運転手になってみて、思ったより大変だなと感じています。
「慣れれば楽な仕事」と言う人もいますが、人の命にかかわる仕事ですのでいつも緊張感はあります。

どんな仕事も傍目に見るより大変で、もちろん電車の運転士さんも大変だと思います。

バスの運転手の仕事を考えてる方の参考になれば・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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