ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている中国の万里の長城。
歴史好きにの人にとっては一度は訪れたい遺跡の一つですよね。
私は歴史には全く詳しくありませんが、GoogleEarthが好きでいろんな場所を眺めているとどうしても歴史的なことも考えてしまいます。
今回は万里の長城について調べてまとめたいと思います。
万里の長城の歴史
万里の長城は中国の春秋時代、戦国時代には建造が始まっていたようです。
この時代はまだ中国全土が統一されておらず、いくつかの国が乱立していました。
その中で斉または楚という国が作り始めた城壁が万里の長城の始まりではないかとされています。
年代でいうと紀元前5世紀頃のようです。
秦の始皇帝が中華統一をしたときに、それまで国ごとに作られた城壁のうち邪魔なものを取り壊し、北方の遊牧民族の侵入を阻むために必要な部分を修復、延長して大長城としてまとめました。
秦の始皇帝の時代ですので、紀元前3世紀頃のことです。
このときすでに西は岷県(現在の甘粛省 定西市付近)から東は朝鮮半島まで及んでいました。
秦の始皇帝が没したあとはしばらくメンテナンスが行われず、次第に壊れていきました。
前漢の第7第皇帝の武帝が匈奴の侵攻を防ぐのと領土拡張のために長城の修復、新設を行いました。
現在のモンゴルにまでくい込むほどで、長城の中で最も距離が長いものになりました。
紀元前100年前後のことです。
後漢の時代に入るとまたもメンテナンスができなくなり長城は荒廃していきます。
北魏王朝の時代になると首都である平城(現在の山西省大同市)を守るため、再び長城が整備されました。
西暦423年頃のことです。
唐の時代(西暦618年から907年)に入るとまたもや長城が放棄されました。
そして放棄は数百年続きます。
金の時代(西暦1115年から1234年)に入るとまたまた長城が整備されます。
その後モンゴル民族の侵入を許すこととなり、時代は元になります。
元は北方からやってきたので北方に長城を築く意味がなく、長城のメンテナンスは行いませんでした。
西暦1271年から1368年のことですね。
明の時代(西暦1368年から1644年)になってもしばらく長城は復活しませんでした。
第3代皇帝である永楽帝が首都北京を守るため長城建設を始め、第5代の宣徳帝の時から本格的に長城建設が進んでいきます。
それまでの長城は版築(石灰分を含む土で固める工法)でしたが、明の時代からはレンガが使われるようになりました。
その後清の時代(西暦1616年から1912年)にはまたもや長城が放棄されてしまいます。
現在万里の長城の観光用に開放されているスポットは、ほとんどが明の時代に作られた比較的保存状態が良いものです。
長城の長さ
日本経済新聞の2012年の記事によると、万里の長城の長さは21,196.18kmとされているそうです。
その長さからかつては「宇宙から肉眼で見える唯一の建造物」といわれていましたが、宇宙飛行士の証言により否定されたそうです。
宇宙は広いですから、どこから見たの?と思ったりしますが、ウィキペディアの記事によると、中国の宇宙飛行士である楊利偉が高度343kmの所から観察したのと、中国系アメリカ人の宇宙飛行士であるリロイ・チャオが、高度408kmの国際宇宙ステーションから観察した事例いずれも肉眼で確認できなかったそうです。
国際航空連盟では高度100km以上の所を宇宙と定義しています。
では高度100km地点からなら肉眼でも見えるのでは?と思い、GoogleEarthで確認してみました。
GoogleEarthで高度100kmの所に視点を置いてみました。
もちろん本当の肉眼とは異なるでしょうが、だいたいこのように見えるのではないでしょうか。
やはり万里の長城を見つけることはできなさそうですね。
むしろ故宮(紫禁城)や北京首都国際空港のほうは確認できます。
まとめ
いかがでしたか?
私は当初万里の長城は1本の線になっているのかと思っていましたが、調べてみると長い歴史があって時代ごとにいろいろな長城が建造されていたことがわかりました。
それぞれの時代で作った人々もすごいですが、総延長が2万kmもあると結論づけた中国の学者さんたちもすごいですね。
わたしは今GoogleEarthで万里の長城を見つけてラインを引いていくことを楽しんでいます。
GoogleEarthの画像ではほとんど確認できないほど損失しているところが多いですが、山の中で長城を見つけたり、長城の痕跡らしいものを見つけると嬉しいです。
これまでに見つけることができた長城は1万kmにも満たないですが、こつこつと2万kmを見つけていきたいと思います。
今回使ったkmlデータ
参考として今回使ったkml(kmz)データを添付します。
GoogleEarthやGoogleマップ(マイマップ)などに取り込んでみてくださいね。
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